「申し送りで聞いてない情報が…」コミュニケーションギャップが患者を危険にさらす件【2025年研究】
「あれ、その情報聞いてないんだけど…」「え、点滴もう終わってたの?」「この患者さん、アレルギーあったの!?」
申し送りで情報が抜け落ちてヒヤッとした経験、ありません?
いや、マジでこれ看護師あるあるすぎて草通り越して森。
忙しい時に限って申し送りが雑になったり、「大事なこと言ったっけ?」ってなったり。で、後から「聞いてないよ!」って言われて険悪な空気になることも…。
だけどさ、これって単にイライラするだけの話じゃないんです。
実は申し送りのコミュニケーションギャップが、患者さんの診断ミスや治療エラー、入院長期化につながってるって、🦐えび🦐あるの?
2024〜2025年の研究を見ていきましょう!
動画解説
動画解説もあるので気になる方はチェック↓

「患者さんが一番苦しむ」という現実
2024年12月、ガーナの研究チームがSSM – Qualitative Research in Healthに衝撃的な質的研究を発表しました。(1)
タイトルがもうえぐい。
「患者さんがコミュニケーション不足で一番苦しむ」
この研究、ガーナの2つの紹介病院で、救急・ICU・病棟・産科の看護師にインタビューしたもの。
申し送りで何が起きてるのか
研究者たちは、シフト交代時の申し送りを観察し、看護師たちの経験を詳しく分析しました。
で、結論として出てきたのが…
申し送りのコミュニケーションギャップが、診断エラー、治療ミス、合併症、入院の長期化を引き起こしている!
いや、ヤバすぎない?
ある看護師のコメント:
「私たちがちゃんと伝えないと、次のチームが患者さんの状態を把握できない。結果として患者さんが苦しむことになる」
わかりみが深い…というか、みんな薄々気づいてたことかも。
申し送りで情報が抜ける3つの原因
じゃあ、なんで申し送りで情報がちゃんと伝わらないのか?
この研究では3つの大きな要因が特定されました。
1. 態度・行動の問題
| 要因 | 具体例 |
|---|---|
| 仕事への姿勢の問題 | やる気がない、適当に済ませる |
| 記録の不備 | 書いてない、書いてあっても雑 |
| 対人関係の問題 | 仲が悪い、話したくない |
| 独自の言葉遣い | 略語が通じない、方言? |
「いや、あの人と話したくないし…」みたいな人間関係の問題、ガチであるよね。
2. 組織・システムの問題
| 要因 | 具体例 |
|---|---|
| 業務量が多すぎ | 申し送りの時間が取れない |
| 研修が不十分 | そもそも正しいやり方を知らない |
| 手順がない | 何を伝えるべきか決まってない |
「正式な申し送り手順がない」 のは結構やばい。
研究によると、手順がないと各チームが「デフォルトのコミュニケーションパターン」を勝手に作っちゃうらしい。つまり、人によってバラバラ。
3. 文化・人間関係の問題
| 要因 | 具体例 |
|---|---|
| ステレオタイプ | 「あの部署の人は…」的な偏見 |
| 差別的な態度 | 新人・ベテランの壁など |
| チーム内の壁 | 話しかけにくい雰囲気 |
「この先輩に聞きづらい…」 みたいなやつ、マジで情報伝達を妨げてるんです。
重要ポイント
- 申し送りの問題は「個人の能力」だけじゃない
- 組織のシステムや文化が大きく影響
- 「仕組み」を変えないと改善しない
具体的にどんな問題が起きてるの?
研究では、コミュニケーションギャップによって起きた具体的な問題も報告されています。
報告された有害事象
- 診断の遅れ・エラー
- 治療の遅れ・ミス
- 合併症の発生
- 入院期間の延長
ある看護師のエピソード:
「前のシフトの看護師が、患者さんの状態変化を伝えてなかった。私が気づいた時にはもう遅くて…」
これ、他人事じゃないですよね。
標準化ツールで劇的改善!ISBAR導入の効果
「じゃあどうすればいいの?」ってなりますよね。
そこで2025年1月に発表された、イタリアの救急部門での研究を紹介します。(2)
この研究、867件の申し送りを分析した大規模なもの。
研究概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 場所 | イタリアの大学病院救急部門 |
| 期間 | 2022年1月〜2023年12月 |
| 対象 | 867件の看護師間申し送り |
| 介入 | ISBARモデルに基づく標準化ツールの導入 |
ISBARって何?
ISBARは申し送りの標準化ツールで、以下の順番で情報を伝えます:
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| I(Introduction) | 自分の名前・役割、患者の名前 |
| S(Situation) | 今の状況、主な問題 |
| B(Background) | 背景情報、既往歴 |
| A(Assessment) | アセスメント、観察結果 |
| R(Recommendation) | 推奨事項、次にやること |
元々はアメリカの潜水艦乗組員のコミュニケーション改善のために開発されたもの。(2)
軍隊で使われてた方法が医療に来たってこと。えぐい。
結果:申し送りの質が有意に改善!
導入前後の申し送り評価スコア(NHAS)
| 時期 | 中央値 | 四分位範囲 |
|---|---|---|
| 導入前 | 77.8% | 66.7%〜100% |
| 導入後 | 84.6% | 74.2%〜100% |
統計的に有意な改善!(p < 0.001)
約7ポイントの改善って、けっこうすごい。
「併存疾患の伝達」が21ポイントも改善
特に改善が顕著だった項目を見てみましょう。
項目別の改善率
| 評価項目 | 導入前 | 導入後 | 変化 |
|---|---|---|---|
| 併存疾患を1つ以上伝えた | 59.7% | 80.8% | +21.1% |
| 何が起きたか伝えた | 80.2% | 92.9% | +12.7% |
| 何を待っているか伝えた | 84.3% | 92.2% | +7.9% |
| 実施した処置を伝えた | 75.7% | 92.2% | +16.5% |
| 患者を正しく識別 | 96.2% | 99.7% | +3.5% |
併存疾患(持病)の伝達が21ポイントも改善!
これ、ガチで大事。
だって、「この患者さん糖尿病なんだけど」って情報が抜けてたら、血糖管理とかインスリンの投与とか、全部狂うじゃないですか。
重要ポイント
- 標準化ツールで「何を伝えるべきか」が明確になる
- 特に「背景情報」の伝達が大幅改善
- 結果として患者安全に直結
経験年数に関係なく効果あり
ここで面白いデータ。
年齢別の申し送り評価スコア
| 時期 | 39歳未満 | 39歳以上 | 有意差 |
|---|---|---|---|
| 導入前 | 高い | 低い | あり(p=0.013) |
| 導入後 | 同等 | 同等 | なし(p=0.489) |
導入前は若い看護師の方が申し送り上手だったけど、導入後は差がなくなった!
つまり、標準化ツールを使えば、経験に関係なく同じレベルの申し送りができるってこと。
ベテランも新人も関係ない。仕組みがあれば誰でもできる。
これ、めっちゃ大事じゃね?
申し送り時間は増えなかった
「でも、ちゃんとした申し送りすると時間かかるんでしょ?」
って思うかもだけど…
申し送り時間の比較
| 時期 | 中央値 |
|---|---|
| 導入前 | 1.00分 |
| 導入後 | 1.00分 |
変わらない!
標準化ツールを使っても、申し送りにかかる時間は増えなかったんです。
むしろ、「何を伝えるか」が明確になるから、効率的にできるようになったとのこと。
救急部門って時間との勝負だから、これは重要な発見。
結論:申し送りを変えれば患者安全が変わる
この研究たちのまとめ
✔ 申し送りのコミュニケーションギャップは患者の診断・治療エラーにつながる (ガーナ研究)
✔ 問題の原因は「態度」「組織」「文化」の3つ
✔ ISBARなどの標準化ツールで申し送りの質が有意に改善(77.8%→84.6%)
✔ 特に「併存疾患の伝達」が21ポイント改善
✔ 経験年数に関係なく、誰でも同じレベルの申し送りができるようになる
✔ 申し送り時間は増えない
個人的な考察
これ、「申し送りが下手な人」を責めても意味ないと思うんです。
だって、仕組みがないのに「ちゃんとやれ」って言っても無理じゃないですか。
ガーナの研究者たちも言ってます:
標準的なガイドラインを開発して構造化されたコミュニケーションを行うとともに、文化的・行動的な障壁を克服するためのエモーショナル・インテリジェンスの研修が必要である(1)
つまり、「仕組み」と「研修」の両方が必要ってこと。
現場でできること
個人レベル:
- SBAR/ISBARを意識する(状況→背景→評価→推奨の順)
- 書面で残す(口頭だけに頼らない)
- 確認する(「〇〇でいいですか?」と復唱)
チーム・組織レベル:
- 標準化されたツールを導入する
- 「何を伝えるべきか」のチェックリストを作る
- 申し送りの時間を確保する(急かさない)
- 心理的安全性を高める(聞きやすい雰囲気づくり)
師長さん、管理者のみなさん、「申し送りをちゃんとやれ」と言うだけじゃなくて、「ちゃんとやれる仕組み」を作ってください!
研究の限界点
これらの研究にも限界があります:
ガーナの研究(1):
- 質的研究なので一般化には限界
- 低中所得国のデータなので日本と状況が違う可能性
イタリアの研究(2):
- 単施設の研究
- 有害事象との直接的な因果関係は検証していない
- 看護師間の申し送りのみ(医師との連携は含まない)
ただ、「申し送りの質が患者安全に影響する」という点では一貫した結果が出ています。
これは無視できない🦐えび🦐だと思います。
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参考文献
(1) Atinga RA, Gmaligan MN, Ayawine A, Yambah JK. “It’s the patient that suffers from poor communication”: Analyzing communication gaps and associated consequences in handover events from nurses’ experiences. SSM – Qualitative Research in Health. 2024;6:100482. doi:10.1016/j.ssmqr.2024.100482
(2) Galli A, Andreoli E, Pallua FY, Silvestri I, Manenti A, Dignani L, Contucci S, Menditto VG. Improvement of nursing handover in emergency department: a prospective observational cohort study. Discover Health Systems. 2025;4:3. doi:10.1007/s44250-025-00180-3

