「薬配ってる時に話しかけないで!」投薬中の中断が投薬ミスを爆増させる件【2025年レビュー】

看護技術・看護関連
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「薬配ってる時に話しかけないで!」投薬中の中断が投薬ミスを爆増させる件【2025年レビュー】

 

「ちょっといい?」「〇〇さんがトイレ行きたいって」「先生から電話です!」

薬を配ってる最中に話しかけられてイラッとしたこと、ありません?

いや、マジでこれ看護師あるあるすぎて草通り越して森。

「今、与薬中なんだけど…」って心の中で叫んでも、次から次へと中断が入ってくる。で、気づいたら「あれ、この薬誰に渡すんだっけ…?」ってなったり。

でもこれ、単にイライラするだけの話じゃないんです。

実は中断が投薬ミスを爆増させるって、🦐えび🦐あるの?

2025年6月に発表された最新のスコーピングレビューを見ていきましょう!

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動画解説

寝転んで聞くなら動画解説がおすすめです↓

 

投薬中の中断が世界的に問題になっている

2025年6月、ロヨラ大学シカゴ校とテキサスA&M大学の研究チームがJournal of Advanced Nursingに画期的なスコーピングレビューを発表しました。(1)

この研究、世界9カ国で行われた22の研究を徹底分析したもの。

まずね、どれくらい中断が起きてるかっていうと…

中国、サウジアラビア、韓国などで行われた最近の研究では、看護師は1時間あたり6〜14回中断されることが報告されている

えぐい。1時間に6〜14回って、10分に1回以上じゃん。

さらにオーストラリアと中国の観察研究では…

投薬ラウンドの94.5%〜99%が中断される

ほぼ100%!もう投薬中に中断されるのが「デフォルト」になってる状態。

わかりみが深い…。


22の研究を分析した結果…中断ヤバすぎ

このレビュー、どれくらいの規模かというと:

項目 内容
対象研究数 22研究
対象国 9カ国(6大陸)
対象期間 2010年〜2024年
対象ユニット 内科、外科、救急、小児科、ICU、精神科など

で、肝心の結果はというと…

73%の研究で「中断=投薬ミス増加」の関連あり!

22研究中16研究(73%)が、中断と投薬ミスの間に統計的に有意な正の関連を報告!

ただし、4研究は関連なし1研究は逆に中断でミスが減ったという結果も。全部が全部「中断=悪」というわけではないんですが、大多数で関連が見られたのは事実。

これ、ガチでヤバくないですか?

研究ごとのオッズ比を見てみると:

研究 結果 意味
Alemu et al. (2017) AOR=5.615 中断されると5.6倍ミスしやすい
Jessurun et al. (2022) AOR=2.32 2.3倍ミスしやすい
Volpe et al. (2014) OR=3.92 3.9倍ミスしやすい
Tassew et al. (2022) AOR=3.4 3.4倍ミスしやすい

中断されると投薬ミスのリスクが2〜5倍以上に跳ね上がるってこと。

うーむ、これは無視できない数字…。


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中断1回で投薬ミスが12.7%増える!?

ここで注目したいのが、オーストラリアのWestbrook研究チームが2010年に発表した画期的な研究。(2)

この研究、98人の看護師が投与した4,271件の薬剤を直接観察したもの。

結果がマジでえぐい:

中断回数 投薬ミス率
0回 基準値
1回 22.5%
4回以上 30.4%

1回の中断で投薬ミス率が12.7%増加!

ちなみに「中断」の定義は:

看護師が準備または投与作業を中止し、外部刺激に対応するために他の作業を行う状況

つまり「ちょっと待って」って手を止めて別のことをした時点でアウトってこと。

オーストラリアの別の観察研究(Johnson et al. 2017)では、99%の投薬イベントが中断され、平均で1回の投薬につき1.79回の中断が発生したと報告されています。(3)

ほんmoney?ってなるよね…。


どんな中断が多いの?

「中断」って言っても色々あるわけで。このレビューでは中断の種類についても分析されています。

外部からの中断

  • 他のスタッフからの声かけ(最多)
  • 患者さんからの呼びかけ
  • 電話・アラーム
  • 訪問者からの質問

内部からの中断(セルフ・インターラプション)

自分自身の思考で作業を中断するケースもあるんです。「あ、そういえばあれやらなきゃ」みたいな。

興味深いのは、Bonafide et al.(2020)の小児ICUでの研究。(4)

中断の種類 投薬ミスとの関連
電話の着信 有意に増加(OR=1.20)
テキストメッセージ 関連なし

電話は「今すぐ出なきゃ」ってなるけど、テキストは後で見れるから影響が少ないのかも。

重要ポイント

  • 電話の着信は投薬ミスと有意に関連
  • すぐに対応を求められる中断ほど危険
  • 後で対応できるものは影響が小さい

「中断しないでベスト」は効果あるの?

病院によっては「投薬中は話しかけないで」っていう対策をしてるところもありますよね。

例えば:

  • 「Do Not Interrupt」ベストの着用
  • **静かなエリア(No Interruption Zone)**の設置
  • 「話しかけないで」サインの掲示

でもね…

2021年のフランスの研究(Berdot et al.)では、4つの病院でこの「中断しないでベスト」の効果を検証しました。(5)

結果は…

統計的に有意な効果は認められなかった(OR=1.19、p=0.191)

まぁ、ベストを着てても「ちょっとだけ!」って話しかけてくる人はいるよね…。界隈あるある。

ただ!この研究の著者たちは「ベストが無意味」とは言っていません。

むしろ重要なのは:

  1. 中断管理戦略を学ぶこと
  2. 組織全体で中断を減らす文化を作ること
  3. 「どうしても必要な中断」と「避けられる中断」を区別すること

結論:現場でできる対策

このレビューのまとめ

世界的に投薬中の中断は深刻な問題(94〜99%の投薬が中断される)

73%の研究で中断と投薬ミスに有意な関連

1回の中断で投薬ミスが12.7%増加する可能性

中断されると投薬ミスのリスクが2〜5倍に


個人的な考察

これ、看護師個人の努力だけじゃどうにもならん問題だと思います。

だって、患者さんからのナースコールは無視できないし、急変があったら対応するしかないし。

だけど、避けられる中断はあるはず。

例えば:

  • 「今、与薬中です」って周知する(声に出す、サインを使う)
  • 緊急じゃない連絡は後にしてもらう
  • 与薬の時間帯を周知して、可能な限り他のスタッフが対応

ISMP(医薬品安全研究所)も推奨しているように、組織レベルで「中断を減らす文化」を作ることが大事です。

師長さん、管理者のみなさん、「中断を減らす」のは単なる効率化じゃなくて患者安全対策ですよ!

また、このレビューでは「中断された後に薬を再確認する」ことで、逆にミスが減ったという研究(Blignaut et al. 2017)も紹介されています。

中断されたら、必ず最初からやり直す!

これ大事かも。


研究の限界点

このレビューには限界もあります:

  1. 「中断」の定義が研究によってバラバラ
  2. 「投薬ミス」の定義も統一されていない
  3. 観察研究が多く、因果関係の証明は難しい
  4. 有意差が出なかった研究は発表されにくい(出版バイアス)

ただ、これだけ多くの国・研究で一貫した結果が出ているのは、無視できない🦐えび🦐だと思います。

 

参考文献

(1) Schroers G, Huggins E, Sasangohar F, O’Rourke J. Associations Between Interruptions and Medication Administration Errors Among Nurses in Hospital Settings: A Scoping Review of Quantitative Studies. Journal of Advanced Nursing. 2025;0:1-19. doi:10.1111/jan.70032

(2) Westbrook JI, Woods A, Rob MI, Dunsmuir WT, Day RO. Association of interruptions with an increased risk and severity of medication administration errors. Archives of Internal Medicine. 2010;170(8):683-690.

(3) Johnson M, Sanchez P, Langdon R, et al. The impact of interruptions on medication errors in hospitals: an observational study of nurses. Journal of Nursing Management. 2017;25(7):498-507.

(4) Bonafide CP, Miller JM, Localio AR, et al. Association Between Mobile Telephone Interruptions and Medication Administration Errors in a Pediatric Intensive Care Unit. JAMA Pediatrics. 2020;174(2):162-169.

(5) Berdot S, Vilfaillot A, Bezie Y, et al. Effectiveness of a ‘do not interrupt’ vest intervention to reduce medication errors during medication administration: a multicenter cluster randomised controlled trial. BMC Nursing. 2021;20(1):153.

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