「救急で患者さんに感情移入しすぎて辛い…」共感疲労のリスクが3.5倍という現実【2025年メタ分析】
「患者さんの辛さを見ていると、自分まで辛くなる」「事故で運ばれてきた人の家族を見ると、帰宅後も頭から離れない」「なんか最近、患者さんに優しくできなくなってきた気がする…」
これ、心当たりありません?
特に救急で働いている看護師さん、マジでわかりみが深いんじゃないでしょうか。
「いやいや、それってバーンアウトでしょ?」って思った人、ちょっと待って。
実はこれ、「共感疲労(Compassion Fatigue)」っていうバーンアウトとは別の概念なんです。
で、2025年8月に発表されたメタ分析によると、救急看護師の共感疲労リスクは3.5倍という衝撃的な結果が出ました。
これって🦐えび🦐あるの?論文を見ていきましょう!
解説動画
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共感疲労ってなに?バーンアウトとの違い
まず「共感疲労」って何?って話から。
共感疲労(Compassion Fatigue)とは、患者さんの苦しみに共感し続けることで、自分自身も二次的なトラウマを受けてしまう状態のこと。(1)
具体的には:
- 共感する能力が低下する
- 患者さんへの関心が薄れる
- 仕事への興味を失う
- 身体的・精神的な不調が出る
「え、それってバーンアウトじゃないの?」
違うんです。
バーンアウトと共感疲労の違い
| バーンアウト | 共感疲労 | |
|---|---|---|
| 原因 | 長期的なストレス | 患者への共感・二次的トラウマ |
| 発症 | 徐々に | 比較的急に |
| 症状 | 燃え尽きた感じ | PTSD様症状(フラッシュバック等) |
| 回復 | 休息で改善しやすい | 専門的ケアが必要なことも |
つまり、バーンアウトは「仕事のストレスで疲れ果てた状態」、共感疲労は「患者さんのトラウマを”もらってしまった”状態」って感じ。
これ、看護師界隈ではまだあまり知られていないかも。
救急看護師の共感疲労リスクは3.5倍!
2025年8月、中国・紹興第二医院の研究チームがBMC Emergency Medicineに衝撃的なメタ分析を発表しました。(1)
この研究、結構ガチです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象研究数 | 11研究(横断研究) |
| 対象国 | 中国7、アメリカ2、ヨルダン2 |
| 対象期間 | 2014年〜2024年 |
| 総サンプル数 | 2,385人の救急看護師 |
で、肝心の結果はというと…
共感疲労リスク:OR = 3.48
救急看護師は、共感疲労になるリスクが3.48倍!(95%CI: 1.66-7.30, P=0.001)
いや、えぐい。
これ、統計的にもかなり有意な結果です。
重要ポイント
- 救急看護師は他の部署より共感疲労リスクが高い
- 高ストレス・トラウマ曝露が原因
- 患者ケアの質にも影響する可能性
有病率は34%〜99%とバラバラだけど…
「で、実際どれくらいの人が共感疲労なの?」
これがね、研究によってかなりバラつきがあるんです。
研究ごとの有病率
| 研究 | 有病率 |
|---|---|
| 最低値 | 34.10% |
| 最高値 | 99.50% |
99%って…ほぼ全員じゃん。草通り越して森。
ただ、これは測定方法や定義の違いもあるので、単純に比較はできません。
国別の比較(サブグループ分析)
| 国 | オッズ比(OR) | 有意差 |
|---|---|---|
| 中国 | 4.33 | あり(P<0.0001) |
| アメリカ | 1.73 | なし(P=0.65) |
中国の救急看護師の方がリスクが高い傾向!
ただし、統計的にこの差は有意ではありませんでした(P=0.47)。
なんでこんな差が出るかというと…
研究者たちの考察:
- 中国は人口が世界の18%を占める
- 医療資源の偏在がある
- 看護師の業務負担が大きい
- 残業や交代勤務が多い
まぁ、日本も似たような状況かもしれんですよね…。
共感疲労になりやすい人の特徴7つ
この研究では、共感疲労に関連する個人的要因も分析されています。
1. 年齢
若い看護師ほど共感疲労になりやすい。(1)
逆に、年齢が高い看護師は経験を通じて感情コントロール術を身につけているっぽい。
2. 婚姻状態
既婚者の方が共感疲労リスクが高い!
「え、サポートあるのに?」って思うかもだけど、仕事と家庭のバランス取るのが大変だからかもしれない。
3. 健康状態
健康状態が悪いほど、バーンアウトや二次的外傷性ストレスが高く、共感疲労リスクも上がる。
まぁ当たり前っちゃ当たり前だけど。
4. 教育レベル
これ、研究によって結果が違うんです。
| 研究 | 結果 |
|---|---|
| Wang et al. | 学歴高い→共感疲労↑ |
| Subih, Hunsaker | 修士・博士持ち→共感疲労↓ |
ふーむ、一概には言えないっぽい。
5. 睡眠時間
睡眠時間が短いほど共感疲労リスクが上がる!
睡眠不足は感情制御を妨げて、共感リソースを消耗させるとのこと。
これ、ガチで大事。
6. 食習慣
不規則な食事もリスク要因。
神経内分泌系の乱れがストレス反応を悪化させる可能性があるらしい。
7. 性別
これは研究によって結果がバラバラで、関連あるって研究もないって研究もある。
救急は女性が多いので、サンプルサイズの問題かも。
仕事環境でリスクが変わる11の要因
次は仕事関連要因。こっちの方が「なるほど」感あるかも。
共感疲労リスクを下げる要因
| 要因 | 説明 |
|---|---|
| 収入が高い | 経済的安定が心の余裕に |
| 仕事満足度が高い | やりがい感じてる人は強い |
| 職位が高い | 裁量があるとストレス減 |
| 上司からの認知 | 「認められてる感」大事 |
| 正規雇用 | 契約より安定してる |
共感疲労リスクを上げる要因
| 要因 | 説明 |
|---|---|
| 看護経験年数が長い | 長期間のトラウマ曝露 |
| 夜勤が多い | サーカディアンリズム乱れる |
| バーンアウト | 共感疲労と相互作用 |
| 職業ストレスが高い | まぁそりゃそう |
特に夜勤については別の2025年研究で興味深い結果が!
| シフト | 共感疲労との関連 |
|---|---|
| 23時〜7時(深夜勤) | リスク上昇(β=3.151) |
| 15時〜23時(準夜勤) | 最も保護的(β=-6.377) |
深夜勤が一番キツいってこと。これ、しゃばい…。
結論:自分を守るためにできること
このメタ分析のまとめ
✔ 救急看護師の共感疲労リスクは3.48倍(世界2,385人のデータ)
✔ 有病率は34%〜99% と研究によって幅がある
✔ 若い・既婚・睡眠不足・夜勤多い人はリスク高
✔ 上司からの認知・仕事満足度がリスクを下げる
個人的な考察
これ、「患者さんに寄り添いすぎて辛い」って悩み、看護師あるあるだと思うんです。
でもさ、「それは優しさの証」「看護師なんだから当たり前」 みたいに言われがちじゃないですか?
違うんです。
共感疲労は「甘え」でも「弱さ」でもなく、職業的なリスク!
この研究の著者たちも言ってます:
看護管理者は救急看護師のメンタルヘルスガイダンスに注目すべきである。WeChat等のグループやマインドフルネスワークショップを設立することで、看護師の心理的調整能力を高め、共感疲労の程度を軽減できる可能性がある。(1)
師長さん、管理者のみなさん、「患者に寄り添え」と言うだけじゃなくて、「スタッフの心を守る仕組み」も作ってください!
自分でできる対策
- 睡眠時間を確保する(これマジで大事)
- 規則正しい食事を心がける
- 自分の感情の変化に気づく
- 「二次的トラウマ」という概念を知っておく
- 辛い時は誰かに話す
「最近、患者さんに優しくできなくなってきた」と感じたら、それはあなたが冷たくなったんじゃなくて、共感疲労のサインかもしれません。
自分を責めないで。
研究の限界点
このメタ分析にも限界があります:
- 極端な異質性(I²=99%):研究間のばらつきが大きい
- 横断研究のみ:因果関係は証明できない
- アメリカの研究が少ない:サンプルサイズバイアスの可能性
- 中国語・英語の論文のみ:日本の研究は含まれていない
ただ、複数の国で一貫して高リスクが示されたのは、無視できない🦐えび🦐だと思います。
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参考文献
(1) Pan Y, Wang X, Jin W. Risk of compassion fatigue among emergency department nurses: a systematic review and meta-analysis. BMC Emergency Medicine. 2025;25:155. doi:10.1186/s12873-025-01314-9
(2) Xie W, Liu M, Okoli CTC, et al. Construction and evaluation of a predictive model for compassion fatigue among emergency department nurses: A cross-sectional study. International Journal of Nursing Studies. 2023;148:104613. doi:10.1016/j.ijnurstu.2023.104613
(3) Hunsaker S, Chen HC, Maughan D, Heaston S. Factors that influence the development of compassion fatigue, burnout, and compassion satisfaction in emergency department nurses. Journal of Nursing Scholarship. 2015;47(2):186-194. doi:10.1111/jnu.12122


