ICU看護師のみなさん、こんにちは。
「この患者さん、もう少し早く動かしてあげたいんだけど…」
って思ったことありません?
人工呼吸器つけてるし、鎮静かかってるし、ライン類いっぱいだし…。
「動かしたいけど動かせない」 っていうジレンマ、ICU看護師界隈あるあるじゃね?
だけど、実はこの「早期離床」がめちゃくちゃ大事で、しかも 看護師が主導でやると効果ある らしいんですよ。
これって🦐えび🦐あるの?2025年に出た論文を見ていきましょう!
ICU患者の長期臥床、マジでヤバい問題
まず前提として、ICU患者さんが長期間ベッドで寝たきりになると何が起こるか知ってます?
ガチでえぐいことになるんです。
- 筋萎縮(筋肉がどんどん落ちる)
- 身体機能低下
- 深部静脈血栓症
- 褥瘡
- 人工呼吸器関連肺炎
そして退院後も ICU後症候群(PICS) という、身体的・精神的・認知的な後遺症に悩まされることも。(1)
2015年の報告では、ICU退室後の患者の 約62%が最大10年間も筋力低下の症状を訴え続け 、完全に回復したのは わずか37% だったとか。(1)
えぐすぎん?
ICUで助かっても、その後の人生QOL爆下がりとか辛すぎるよね。
早期離床って具体的に何するの?
早期離床(Early Mobilization)っていうのは、ICU入室後できるだけ早い段階から段階的に身体を動かす介入のこと。
具体的には:
- 頭部挙上(ベッドの頭側を上げる)
- 関節可動域訓練(ROM)
- 体位変換(ローリング)
- 端座位(ベッドの端に座る)
- 立位
- 歩行
っていう感じで、患者さんの状態に合わせて段階的にレベルアップしていくんですね。(1)
「え、人工呼吸器ついてても動かせるの?」って思うかもしれないけど、実は 人工呼吸器装着中でも早期離床は可能 というのが2025年の研究でも示されています。(1)
2025年のメタ分析で判明!看護師主導の早期離床の効果
研究①:看護師が関わる早期離床【9研究・約1000人】
2025年2月に Nursing in Critical Care 誌に発表されたLeeらの系統的レビュー&メタ分析では、看護師が関わる早期離床の効果を検証しました。(1)
対象: 9研究(RCT 6件、非ランダム化研究 3件)
参加者: 主に50~60代のICU患者、多くが人工呼吸器装着中
結果はこちら:
| アウトカム | 効果 | 統計的有意差 |
|---|---|---|
| ICU滞在日数 | 1.67日短縮 | あり(p=0.04) |
| 筋力 | 差なし | なし(p=0.80) |
看護師が関わる早期離床で、ICU滞在日数が有意に短縮!
これ、地味にすごくないですか?
1.67日って聞くと「たった2日弱?」って思うかもしれないけど、ICUの1日ってめちゃくちゃ医療費かかるし、患者さんにとっても精神的負担がえぐい。
ちなみにこの研究で面白いのが、9研究中4研究は看護師のみ で早期離床を実施、残り5研究は多職種チームでやっていたこと。(1)
つまり、看護師単独でも効果あるってことなんですよね。
研究②:看護師主導の早期離床プロトコル【15研究・約1500人】
同じく2025年に Nursing Open 誌に発表されたXuらのメタ分析では、さらに大規模な解析が行われました。(2)
対象: 15のRCT
参加者: 重症外傷性脳損傷や人工呼吸器装着患者など
結果:
| アウトカム | 効果 | 統計的有意差 |
|---|---|---|
| ICU滞在日数 | 1.8日短縮 | あり(p=0.005) |
| 入院日数 | 2.6日短縮 | あり(p=0.040) |
| 移動能力 | 差なし | なし(p=0.745) |
| 身体機能 | 差なし | なし(p=0.430) |
| 筋力 | 差なし | なし(p=0.289) |
| 死亡率 | 差なし | なし(p=0.323) |
ICU滞在日数が約1.8日、入院日数が約2.6日短縮!
2つの研究で ほぼ同じ結果(約1.7~1.8日のICU滞在短縮) が出ているのは、信頼性高いんじゃないでしょうか。
ちょっと待って、筋力には効果ないの?
ここで気になるのが、筋力や身体機能には有意差がなかった という点。
「え?動かしてるのに筋力つかないの?」って思うよね。
これについて論文では以下のように考察されています:
- フォローアップ期間が短い – 筋力改善には時間がかかるかも
- 介入の期間・強度がバラバラ – 研究によって15分~2時間とかなり差がある
- 評価方法が統一されていない – MRC-SS、MMT、握力計など様々
- 早期離床だけでは不十分かも – 栄養サポートや理学療法との併用が必要?(1)(2)
まぁ、筋力がつかなくても ICU滞在日数が短くなる っていうのは、患者さんにとってはめっちゃ大きいメリットよね。
早期離床における看護師の役割
「でも具体的に看護師は何すればいいの?」
Leeらの論文では、看護師の役割として以下が挙げられています:(1)
🔹 スクリーニング・評価
- 患者の血行動態の安定性をチェック
- 身体機能の評価
- 離床の実施可能性を判断
🔹 リスク管理
- 早期離床中の安全管理
- 潜在的リスクの早期発見
- 有害事象の予防
🔹 コーディネーション
- 患者と医療チームの橋渡し
- 患者と家族への説明
- 多職種との連携調整
🔹 実施・教育
- ROM訓練の実施
- 患者・スタッフへの教育
- プロトコルの標準化
看護師は24時間ベッドサイドにいるからこそ、早期離床を主導できる立場にある!(1)
わかりみが深い…。
早期離床の具体的なステップ
2025年の論文で紹介されていた早期離床の段階をまとめるとこんな感じ:(1)
| レベル | 介入内容 | 研究での採用率 |
|---|---|---|
| 1 | 頭部挙上 | 2/9研究 |
| 2 | ROM訓練 | 7/9研究 |
| 3 | 体位変換(ローリング) | 5/9研究 |
| 4 | 座位 | 9/9研究 |
| 5 | 端座位(ダングリング) | 8/9研究 |
| 6 | 立位 | 9/9研究 |
| 7 | 歩行 | 9/9研究 |
座位・立位・歩行は全研究で実施 されていたんですね。
介入時間は 15分~120分 、介入期間は 1日~10日以上 とかなり幅があったみたい。(1)
早期離床の開始タイミングは?
「いつから始めればいいの?」って疑問もあるよね。
研究によってバラバラだったんですが:
- 研究登録日から開始
- 人工呼吸器装着48時間以上経過後
- 患者の状態が安定してから
- 明記なし
っていう感じで、理想的な開始タイミングはまだ確立されていない のが現状。(1)
ただし、「できるだけ早く」 というのが一般的な推奨事項のようです。
研究の限界点も押さえておこう
2025年の論文でも、いくつかの限界点が指摘されています:
- 研究間の異質性が高い(I²=86.3%~97.2%)
- 盲検化が難しい(介入の性質上)
- 看護師の具体的な役割が明確に記載されていない研究が多い
- 英語論文のみ(出版バイアスの可能性)(1)(2)
まぁ、メタ分析あるあるではありますね。
結論
まとめ
✔ 看護師主導の早期離床でICU滞在日数が約1.7~1.8日短縮
✔ 入院日数も約2.6日短縮(Xuらの研究)
✔ 筋力・身体機能・死亡率には有意な効果なし(ただし害もなし)
✔ 人工呼吸器装着中でも早期離床は実施可能
✔ 看護師はスクリーニング・リスク管理・コーディネーションで重要な役割を担う
個人的には、「筋力には効果ないけどICU滞在は短くなる」っていうのが面白いなと思いました。
筋力がつかなくても、早く動かすことで 合併症予防 や 精神面の改善 につながって、結果的に退室が早まるのかもしれませんね。
あと、2つの独立した2025年の研究で ほぼ同じ効果量(約1.7-1.8日短縮) が出ているのは、エビデンスとしてかなり信頼できるんじゃないかと。
ICU看護師のみなさん、「動かしたいけど動かせない」じゃなくて、「動かせる条件を整えて、積極的に動かす」 っていうマインドセットが大事かもしれません。
もちろん、患者さんの状態をしっかりアセスメントした上で、ですけどね!
今後は 看護師の具体的な役割を明確化したガイドライン の開発が期待されます。(1)
参考文献
(1) Lee, J., Kim, Y., & Lee, H. J. (2025). Nurse‐involved early mobilization in the intensive care unit: A systematic review and meta‐analysis. Nursing in Critical Care, 30(2), e13278. https://doi.org/10.1111/nicc.13278
(2) Xu, J., Wang, S., Zhang, Q., Yao, Y., & Yu, J. (2025). Effectiveness of Nurse‐Led Early Mobility Protocols on the Outcomes of Critical Care Patients: A Systematic Review and Meta‐Analysis. Nursing Open, 12(5), e70206. https://doi.org/10.1002/nop2.70206

