「学校と現場が違いすぎて辛い…」新人看護師の36%が辞めたいと感じるトランジションショックという現実【2025年メタ分析】

看護技術・看護関連
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新人看護師のみなさん、お疲れ様です。

「学校で習ったことと全然違う…」
「先輩が怖くて質問できない…」
「私、本当に看護師に向いてないのかも…」

入職して数ヶ月、こんな気持ちになっていませんか?

実はこれ、トランジションショック って呼ばれる現象なんです。

学生から看護師への移行期に経験する「混乱・不安・自信喪失」のこと。マジで新人看護師あるあるなんですよね。

でもさ、「私だけがこんなに辛いのかな…」「みんなもっと上手くやってるんじゃ…」って思ってません?

これって🦐えび🦐あるの?2025年に発表されたメタ分析を見ていきましょう!

 

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動画解説

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トランジションショックってなに?

まず、トランジションショック(Transition Shock)について説明しますね。

2009年にDuchscherさんという研究者が提唱した概念で、新人看護師が学生から臨床現場に移行する際に経験する、役割・人間関係・知識・責任の変化に伴う混乱・不安・疑念 のことを指します(1)。

トランジションショックの4つの側面

  • 身体的ショック:夜勤による身体的疲労、不規則な生活
  • 心理的ショック:不安、自信喪失、イライラ
  • 知識・技術面のショック:「学校で習ったのと違う!」
  • 社会文化的・発達面のショック:職場の人間関係、独り立ちへのプレッシャー

要するに、「思ってたんと違う!!」 ってやつですね。わかりみが深い。


新人看護師の36%が離職を考えている衝撃

2025年に発表されたメタ分析(2)では、8カ国・8,593人の新人看護師を対象に、トランジションショックと離職意向の関係を調べました。

結果がえぐい

新人看護師の離職意向の有病率:36% (95% CI: 27-46%)

つまり、新人看護師の3人に1人以上が「辞めたい」と思っている ということ。

さらに、トランジションショックと離職意向の関連を調べたところ…

効果サイズ:0.489 (中程度の相関)

トランジションショックが強いほど、離職したくなるという関係性が統計的に確認されたんです。

「でも36%って、研究によってバラバラなんじゃないの?」

確かに、研究によって離職意向の割合は 6%〜61% と幅がありました。でもメタ分析でプールした結果が36%。これ、かなり信頼性高いデータです。


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中国の新人看護師12,459人を調べた研究もある

2026年に発表された中国のメタ分析(3)では、もっと大規模な調査が行われました。

研究の概要

項目 内容
対象論文 30研究
対象者数 12,459人の新人看護師
調査期間 2015年〜2025年
使用尺度 新人看護師トランジションショック自己評価尺度

トランジションショックのレベル

結果は、トランジションショックスコアが 93.08点 (135点満点)。

スコア率でいうと 68.9% で、これは 「中〜高レベル」 のトランジションショックを示しています。

つまり、中国の新人看護師の多くが、かなり強いトランジションショックを経験している ということ。


入職3ヶ月以内が一番ヤバい

同じ研究で、勤務期間別のトランジションショックも調べられました。

勤務期間 トランジションショックスコア
≤3ヶ月 121.2点(最高)
4〜6ヶ月 108.78点
7〜12ヶ月 101.18点
13〜24ヶ月 103.47点

見てください、入職3ヶ月以内が圧倒的に高い んです。

これ、Duchscherさんの理論とも一致していて、新人看護師のトランジションショックは 入職1〜4ヶ月が最も強烈 だとされています(1)。

だから、今まさに入職して3ヶ月くらいで「もう無理…」って思ってる人、それ、あなただけじゃないから!!

時間が経てば少しずつマシになっていく可能性が高いんです。


救急・ICUはトランジションショックが高い

部署別の分析も面白い結果が出ています。

部署 トランジションショックスコア
救急 107.92点(最高)
ICU 98.31点
がん病棟 100.82点
手術室 98.01点
小児科 98.00点
産科 94.07点

救急が最もトランジションショックが高い という結果に。

まぁ考えてみれば当然ですよね。急変対応、即座の判断力、高度な蘇生技術…新人にはハードルが高すぎる。

ICUやがん病棟も高め。逆に産科は比較的低いという結果でした。


トランジションショックを強める要因は?

じゃあ、どんな人がトランジションショックを強く感じやすいの?

メタ分析で明らかになった リスク要因 がこちら(3):

個人要因

女性 (男性より有意に高い)
地元以外からの就職 (親元離れて一人暮らしとか)
専門学校卒 (大卒より高い)
配属部署が好きじゃない
看護師を自分の意思以外で選んだ (親に言われてとか)
心理的レジリエンスが低い
フィードバックを求める行動が少ない
勤務6ヶ月以下

外部要因

非正規雇用
月収5000元(約10万円)以下
月7回以上の夜勤
家族が看護の仕事を支持していない
社会的サポートが低い

ふーむ、なるほど。

特に 「自分の意思で看護師を選んでいない」 人はトランジションショックが強いというのは納得。親に言われたから、安定してるから…そういう理由で選んだ人は、現実とのギャップがより辛く感じるのかもしれません。


トランジションショック → キャリアコーリング低下 → 辞めたい

2024年のBMC Nursing論文(4)では、739人の新人看護師を対象に、トランジションショックがどのようなメカニズムで離職意向につながるかを調べました。

わかったこと

トランジションショック↑ 
    ↓
キャリアコーリング(職業的使命感)↓
    ↓
定着意向↓(辞めたくなる)

キャリアコーリング というのは、「看護師として働くことに価値を感じる」「この仕事が自分の使命だと思える」という感覚のこと。

トランジションショックが強いと、この 「看護師としての使命感」が損なわれてしまう んです。

そして、使命感がなくなると「もう辞めたい…」という気持ちにつながる。

この 媒介効果は63.53% を占めていました。つまり、トランジションショックが離職意向に影響する経路の6割以上が、キャリアコーリングの低下を経由しているということ。


でもレジリエンスがあれば防げる?

同じ研究で、レジリエンス(心理的回復力) の効果も調べられました。

結果

✔ レジリエンスが 高い 人:トランジションショックがキャリアコーリングに与える影響が 弱まる
✔ レジリエンスが 低い 人:トランジションショックがキャリアコーリングに与える影響が 強まる

つまり、レジリエンスがバリアになって、トランジションショックの悪影響を軽減してくれる ということ!

レジリエンスとは?
逆境やストレスに直面したとき、それを乗り越えて立ち直る力のこと。「打たれ強さ」「しなやかさ」とも言えます。

これ、めっちゃ重要な発見ですよね。

トランジションショック自体をゼロにするのは難しいけど、レジリエンスを高めることで、その悪影響を最小限に抑えられる 可能性があるということ。


結論

まとめ

新人看護師の36%が離職を考えている
トランジションショックと離職意向には中程度の相関がある (効果サイズ0.489)
入職3ヶ月以内が最もトランジションショックが強い
救急・ICU・がん病棟は特にトランジションショックが高い
女性、非地元出身、低学歴、希望しない配属、夜勤多い人はリスク高い
トランジションショック → キャリアコーリング低下 → 離職意向という経路がある
レジリエンスがあればトランジションショックの悪影響を軽減できる


個人的な考察

正直、この結果を見て「そりゃそうだよね…」って思いました。

新人看護師の時って、本当にしんどいですよね。

学校で習った理想と現実のギャップ、先輩からの厳しい指導、夜勤による身体的疲労、「私なんかが看護師でいいの?」という自己否定…

でも、この研究が教えてくれるのは、それは「あなただけ」じゃない ということ。

36%の新人看護師が同じように辞めたいと思っている。入職3ヶ月がピークで、そこを乗り越えれば少しずつ楽になる。

もちろん、辛すぎるなら逃げてもいいと思います。心身を壊してまで続ける必要はない。

でも、「今が一番辛い時期かもしれない」ということを知っておくだけでも、少し気持ちが楽になりませんか?

あと、レジリエンスを高めることが大事だってことも覚えておいてほしい。

信頼できる人に相談する、小さな成功体験を積み重ねる、自分を責めすぎない…そういう小さなことがレジリエンスを育てます。

新人看護師のみなさん、無理しすぎないでね。


参考文献

(1) Duchscher, J. E. (2009). Transition shock: The initial stage of role adaptation for newly graduated registered nurses. Journal of Advanced Nursing, 65(5), 1103-1113. https://doi.org/10.1111/j.1365-2648.2008.04898.x

(2) Turnover prevalence and the relationship between transition shock and turnover intention among new nurses: A meta-analysis. (2025). International Journal of Nursing Studies Advances. https://doi.org/10.1016/j.ijnsa.2025.100390

(3) Xu, J., Huang, J., Zhai, Y., Lu, M., Liu, X., & Yu, H. (2026). Transition Shock Among Chinese New Nurses: A Systematic Review and Meta-Analysis. Journal of Nursing Management, 2026, 9306693. https://doi.org/10.1155/jonm/9306693

(4) Xin, D., Li, W., Zhu, W., Li, M., Xu, N., Yue, L., Cui, L., & Wang, Y. (2024). Relationship between transition shock, resilience, career calling, and retention intention among new nurses: a moderated mediation model. BMC Nursing, 23(1), 873. https://doi.org/10.1186/s12912-024-02555-y

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