「人工呼吸器つけてる患者さん、肺炎予防どうしてる?」VAP予防バンドルで発生率が大きく減る件【2023年レビュー】

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ICUで人工呼吸器をかけている患者さん、VAP(人工呼吸器関連肺炎) って気にしてますか?

「頭上げて、口腔ケアして、カフ圧見て…」とか、なんとなくやってるけど、本当にエビデンスあるの? って思ったことないですか。

これって🦐えび🦐あるの?2023年に出た系統的レビューとメタ分析を見ていきましょう!


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VAP、マジで厄介なやつ

VAP(Ventilator-Associated Pneumonia) は、人工呼吸器装着中に起こる肺炎のこと。48時間以上装着している患者さんに発症する病院感染の代表格です。

  • 死亡率・罹病率の上昇
  • 人工呼吸器装着期間の延長
  • ICU・入院期間の延長
  • 医療費・患者・家族への負担増

って言われてる。(1) ガチで避けたいですよね。

しかも人工呼吸器をつけている患者さんの抗菌薬使用の半分以上がVAP関連 だという報告もあるくらい、ICUではメジャーな問題。(2)

「予防できるなら、ちゃんとやりたい」— それ、研究でもバンドル(複数の介入をセットでやること) が有効って結論になってるんです。


VAP予防バンドルって何?

バンドル は、「このいくつかをまとめて やる」というエビデンスに基づいた介入のセット。1つだけじゃなく、全部そろえて初めて効果が出る って考え方です。

2004年に米国IHI(Institute for Healthcare Improvement)が 「IHI Ventilator Bundle」 を提唱して以降、世界中のICUで「うち用にアレンジしたバンドル」が使われています。(1)

2023年に Antibiotics 誌で発表された系統的レビューでは、38研究 を分析。バンドルに含まれる介入の頻度がまとめられています。(1)

よく使われているバンドルの中身

介入 実施状況(レビューより)
頭部挙上(30°〜45°) ほぼ全研究で実施 (1)
口腔ケア(クロルヘキシジン0.12%等) 多くで実施、2番目に多い (1)
鎮静休止・抜管 readiness の評価 多くで採用 (1)
消化性潰瘍予防(PUD)・静脈血栓予防(DVT) IHIバンドルで推奨 (1)
声門下吸引 効果が高い組み合わせでよく採用 (1)
カフ圧管理 効果が高い組み合わせでよく採用 (1)

「頭を上げる」と「口腔ケア」 が、世界的にもっともよく入っている要素。看護師の日々のケアが、そのままVAP予防の中心になってるってことです。


バンドルでVAPはどれくらい減る?2023年レビューの数字

同じ2023年の系統的レビュー(38研究、前後比較の観察研究)では、こんな結果が出ています。(1)

  • 36研究でVAP発生率が減少
  • 減少率は 13%〜100% と幅あり
  • 22研究で36%以上の減少
  • 10研究で65%以上の減少
  • 4研究では介入後ほぼゼロ まで減少

重要ポイント

  • バンドルを入れた研究のほとんどで、VAP発生率が減っている
  • 「ちょっとしか減らなかった」のは4研究のみで、いずれも IHIバンドル(PUD・DVT予防含む)を採用していなかった
  • VAPを一番減らせた研究 は、IHIバンドル + 適切なカフ圧管理 + 声門下吸引 を組み合わせたもの (1)

「全部やる」ことが大事で、「できる範囲で」だと効果が弱い っていうの、せん妄のABCDEFバンドルと似てますよね。


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介入を1つ増やすごとにリスクが下がる?2023年メタ分析

2023年に Journal of Intensive Medicine に発表されたメタ分析では、バンドルに含まれる介入の数 とVAPの関係を解析しています。(2)

  • 介入が1つ増えるごとに、VAPのオッズが約9%低下 (OR = 0.906, 95% CI: 0.847–0.969)(2)
  • つまり 「やる項目を増やすほど、VAPになりにくい」 傾向が数字で示されたってこと。

さらに、個別の介入では例えばこんな報告があります。(2)

  • 適切な鎮静レベル の維持 → VAP発生が減る(OR = 0.765, 95% CI: 0.661–0.885)
  • 加温加湿フィルター(HME) の使用 → VAP発生が減る(OR = 0.862, 95% CI: 0.745–0.998)

「鎮静は浅くして、早く抜管を考える」「回路はHME使う」といった看護・リハビリ・人工呼吸管理の工夫 が、そのままVAP予防にもつながる可能性があるってことですね。


看護師が担う部分がめちゃくちゃ大きい

2023年のレビューでは、多面的な介入 + 持続的な教育 + バンドル遵守率の測定 が、VAP予防のゴールドスタンダード的な組み合わせだとまとめられています。(1)

看護師が日常的にやっていることは、そのままバンドルの中心です。

  • 頭部挙上30°〜45°の維持 → 体位・褥瘡予防と一緒にチェック
  • 口腔ケア → クロルヘキシジンやブラッシングなど、施設のプロトコルに沿って実施
  • カフ圧の管理 → 規定値(例:20〜25cmH₂O)を維持
  • 鎮静休止・抜管 readiness → 医師と一緒に「今日は覚醒させてみる?」のタイミングを作る

「なんとなくやってる」のではなく、「バンドルの一項目」として意識して揃える と、施設全体のVAP率にも影響しそうです。


結論

まとめ

VAP予防バンドル(複数介入のセット) で、多くの研究でVAP発生率が減少している(2023年レビュー:38研究中36研究で減少、うち10研究で65%以上減少)(1)

効果が大きかった研究 は、IHIバンドル + カフ圧管理 + 声門下吸引 を組み合わせたもの (1)

介入を1つ増やすごとに、VAPのオッズが約9%低下 する傾向がメタ分析で報告されている (2)

頭部挙上と口腔ケア は、世界的にもっともよく採用されている要素で、看護師の日々のケアがそのまま予防の中心になる (1)

「全部そろえる」「遵守率を測る」「教育を続ける」 が、持続的にVAPを減らすうえで重要 (1)


「人工呼吸器つけてる患者さん、肺炎予防どうしてる?」と聞かれたら、「バンドルで揃えて、頭上げて口腔ケアしてカフ圧見て、抜管のタイミングも一緒に考えてる」 って答えられるといいですね。

論文でも、多職種でバンドルを守ること・教育・遵守の見える化 の重要性が繰り返し書かれているので、個人だけでなく病棟単位で「バンドルをちゃんとやる仕組み」があると強そうです。

なお、紹介したレビューの多くは前後比較の観察研究であり、RCTではないため、因果関係の解釈には限界があることも論文では指摘されています。(1)


参考文献

(1) Mastrogianni, M., Katsoulas, T., Galanis, P., Korompeli, A., & Myrianthefs, P. (2023). The Impact of Care Bundles on Ventilator-Associated Pneumonia (VAP) Prevention in Adult ICUs: A Systematic Review. Antibiotics, 12(2), 227. https://doi.org/10.3390/antibiotics12020227

(2) Martinez-Reviejo, R., Tejada, S., Rello, J., & Rodríguez-González, C. (2023). Prevention of ventilator-associated pneumonia through care bundles: A systematic review and meta-analysis. Journal of Intensive Medicine. https://doi.org/10.1016/j.jointm.2023.04.004

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