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「逆血確認って言われたんで…」筋肉内注射で内筒を引くと痛みが爆増する件【2025年メタ分析】

筋肉内注射で内筒を引くと痛みが爆増する件のアイキャッチ 看護技術・看護関連
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「ねえねえ、筋肉注射打つとき、いまだに内筒引いて逆血確認してない?」

日勤の予防接種外来や病棟の処置室で、三角筋に刺したあと、当たり前のように指がピクッと内筒に伸びる人って多いですよね。新人時代に「必ず陰圧をかけて血液が戻らないか見ろ!」って先輩から耳にタコができるくらい叩き込まれたし、血を引かないのを確認してから入れるのが正しい手技だって信じて疑わなかったやつ!

だけどさ、針刺したまま内筒引いてるあの数秒間、患者さんがじっと痛みに耐えてるのを見て「これ本当に意味あるんかな…?」って気になりません?

内筒を引かないと危ないと思います?

これって🦐えび🦐あるの?国内外のガイドラインと2025年のメタ分析を見ていきましょう!

筋肉内注射で、内筒を引く必要はあるのか?

4コマ漫画:筋肉内注射で内筒を引くか迷う若手を、推奨部位では不要と止めるねこ先輩

簡単なまとめ: 2025年のメタ分析では、筋肉内注射で内筒を引くと痛みが有意に増え、手技時間が平均4.53秒長くなるとしている。内筒を省略しても重篤な合併症は報告されていない。CDCや日本小児科学会のガイドラインも、太い血管がない推奨部位(三角筋など)では内筒の吸引(逆血確認)は不要としている。ただし、背側臀部への注射や静脈内誤刺が重大なリスクになる薬剤では施設手順の確認が必要である。

出典: Karaahmetら 2025、Taddioら 2026、日本小児科学会 2025、CDC

ガイドラインは「引かなくていい」って言ってるのホント?

「えっ、内筒引かないで薬入れたら血管に誤注入してヤバいことになるんじゃね?」ってビビっちゃいますよね。

ところがどっこい、国内外のガイドラインを調べてみると、とっくの昔に「引く必要なし」ってバッサリ書かれているの、知ってました?

まず感染対策や公衆衛生の総本山、アメリカのCDC(米国疾病予防管理センター)のACIPガイドラインを見てみると、ワクチンを筋注する前に内筒を引く(aspiration)必要はない、とハッキリ書いてあります。(3) 理由は明快で、そもそも推奨されている接種部位(腕の三角筋や太ももの外側広筋)には大きな血管が走っていないこと、そして内筒を引くせいで特に赤ちゃんや子どもの痛みが激しく増えてしまうからです。(3)

アメリカだけじゃありません。日本の日本小児科学会が2025年4月に改訂した第4版の手引きでも、「推奨部位に大きな血管はないので、あえて内筒を引いて逆血を確認する必要はなく、そのまま薬液を注入してよい」とバッチリ明記されています。(4) 接種後は揉まずに数秒間軽く押さえるだけでOKなんです。

さらに厚生労働省も2022年の小児筋注の動画や事務連絡で、「内筒を引いての逆血確認は必要ありません」と公式にアナウンスしています。(5) 研究班による接種者向け手引き(2022年改訂版)でも、三角筋に大きな血管はないこと、そして内筒を引かない手技のほうが痛みを減らせるエビデンスがあることが記載されているんですよね。(10)

教科書で「引け」と習ってきたうちらからすると、「えっ、公式文書はみんな『引かなくていい』って言ってたの!? うちらのあの慎重な確認タイムは何だったわけ!?」って叫びたくなりませんか。

内筒を引くと、ぶっちゃけ痛みはどうなるの?

「でもさ、引くくらい数秒だし、念のために引いといても損はないんじゃない?」って思いませんでした?

実はここが一番エグいポイントで、良かれと思って引くことで患者さんの痛みがガッツリ増えちゃうことが判明したんです!

2025年に発表されたメタ分析(Karaahmetら)は、内筒を引く群と引かない群を比較した質の高いランダム化比較試験(RCT)6件、合計693人のデータをまとめて解析してくれました。(1)

その結果、内筒を引いたグループは、引かなかったグループに比べて痛みのスコアが明らかに高かったんです!ものさしを揃えた痛みの差(標準化平均差)は 0.83 (95%信頼区間 0.31〜1.35)で、特に子どもに絞ると 1.29 (95%信頼区間 1.12〜1.46)まで跳ね上がっていました。しかも手技にかかる時間も、内筒を引くことで平均 4.53秒 長くなっていました(95%信頼区間 3.87〜5.20)。

4.53秒って文字で見ると一瞬に思えるかもしれないけど、筋肉の中に太い針が刺さったまま待たされる4.5秒って体感めちゃくちゃ長くないですか? 予防接種ブースで、内筒引いて「よしエアーだけ…」って手元を凝視してプルプルしてたら、患者さんから「あの…まだ刺さってます?」って真顔で言われて、慌てて「あ、いま最終チェックしてます!」って笑顔で誤魔化すあの気まずい沈黙。患者さんからしたら「早く抜いてくれ!」って叫びたくなる純粋な拷問タイムだったってコトですよ。そりゃ痛みの点数も爆上がりしますよね。

ちなみに、内筒を省略したグループで重篤な合併症は1件も報告されていませんでした。(1)

2026年に発表された手技の系統的レビュー(Taddioら)でも、6試験・827人を解析した結果、内筒を引かないほうが本人の苦痛スコアが低かったと報告されています。(2) また乳児113人を対象にした過去の試験(Ippら 2007年)でも、5〜10秒内筒を引いてゆっくり注入した群は、引かずに1〜2秒でサッと入れた群に比べて痛みのスコアが 5.6 対 3.3 と高く、泣いた赤ちゃんの割合も 82% 対 43% とほぼ倍近かったんです。(6)

無駄に針を筋肉の中で静止させてグラグラ動かすくらいなら、サッと刺してスッと入れてパッと抜いてあげるほうが、患者さんにとっては圧倒的に優しい手技なんですよね。

でもさ、実際に血が引けたことって本当にあるの?

「とはいえ、先輩が『たまに血が引けることがあるから油断するな』って言ってたんだけど…」って不安になる気持ち、わかりみが深すぎます。

実際にナースがどれくらい血を引いた経験があるのか、気になりません?

2016年の調査(Thomasら)では、看護師164人に筋注の手技についてアンケートを取っています。(8) 注射の90%以上で内筒を引いている看護師は 74% もいたんですが、推奨されている「5〜10秒間しっかり引いて待つ」を守れていた人は、なんとたったの 3% しかいませんでした!(8) そして「過去に一度でも逆血を見たことがある」と答えた看護師は 40% (背側臀部が15%、三角筋が12%)いたそうです。(8)

うーむ、この数字を見ると「ほら!三角筋でも12%あるじゃん!」って思うかもしれないけど、ちょっと待ってください。 ほとんどのナースが1秒チョンと引いて「よし赤くない、ヨシ!」って注入しているのが現実ですよね。推奨される5〜10秒も引けていない中途半端な確認のために針を揺らして痛みを倍増させているとしたら、それって何のための確認なんですかね?

しかも解剖学的に見て、三角筋の中央(肩のてっぺんの骨から指3本分下)や太ももの外側広筋には、誤って薬が全量入ってしまうような太い動静脈は走っていません。細い毛細血管に針先が当たって微量の血がにじむことはあっても、太い血管の中にカニューレみたいにスポッとはまり込む確率はほぼゼロなんです。

2023年に発表された大規模な試験(Baranら)では、お尻の前横(腹側臀筋)に打った成人834人を「5〜10秒引く群」「1〜2秒引く群」「引かない群」に分けて比較したんですが、吸引した556人を含めどのグループでも血液の逆流は1件もありませんでした。(7) 正しい位置に打てていれば、逆血確認なんて最初から不要だったんです。

2015年の系統的レビュー(Sisson)でも、三角筋・腹側臀筋・外側広筋では内筒吸引は不要と結論づけられています。(9) お尻の後ろ(背側臀部)だけは大きな上臀動脈が近いため引くべきとされていますが、そもそも背側臀部は坐骨神経を傷つけるリスクや分厚い脂肪層に薬が留まってしまうリスクが高いため、国内外のガイドラインでは「そもそも筋注の推奨部位から外すべし」とされている部位なんですよね。(4)

危険な場所に打って「内筒を引いたから安心!」って胸を張るくらいなら、最初から安全な三角筋や太ももを選んでサッと打つほうが100倍スマートじゃないですか?

限界点も知っておこう

ここまでエビデンスを見てきたけど、いくつか知っておくべき限界もあります。

まずKaraahmetらのメタ分析(693人)は、痛みや時間の差を証明するには十分な人数だけど、何十万回に1回起きるかどうかの極めて稀な血管内誤注入事故まで完全にゼロだと言い切れる規模ではありません。(1)

また乳児の試験(Ippら)では、吸引を省くだけでなく「薬液を入れるスピード(急速注入)」も同時に速くしているため、痛みが減ったのが内筒を引かなかったおかげなのか、注入が早かったおかげなのかを100%切り離すのは難しいという側面もあります。(6)

Thomasらの「40%が逆血を見た」という調査も、看護師の過去の記憶に基づいたアンケートなので、毛細血管のわずかな赤みや組織液の泡立ちを「血が引けた!」と勘違いして記憶していた可能性も否定できません。(8)

さらに薬剤の種類にも注意が必要です。水溶性のワクチンなら万が一ごく微量の毛細血管に入っても全身性の重大事故にはなりにくいですが、油剤や懸濁液、静脈内に入るとショックを起こすような特殊な抗菌薬(ペニシリンなど)の場合は、今でも慎重な逆血確認が添付文書等で求められることがあります。

また、Herraiz-Adilloら(2022)のように、新型コロナワクチン等での稀な血管内流入リスクを考慮して「吸引の是非はまだ議論を続けるべきだ」と指摘する意見も一部に存在します。(11)

日本全国すべての病院や施設でマニュアルが一律に改訂されているわけではないので、個人の判断だけで勝手に手順を変えるのではなく、自施設のルールと突き合わせる姿勢が大切です。

今後どうしていくべきなの?(手順・例外・判断基準)

じゃあ明日からの勤務で、うちらはどう動けばいいんでしょうか? 現場で迷わないための段取りを整理してみました!

まずは、正しい推奨部位をきっちり選ぶこと です。 大人のワクチンなら肩峰から指3本分下の「三角筋中央」、乳児や小児なら太ももの「大腿外側広筋」です。ここに打つ限り、太い血管をぶち抜く心配は構造上ありません。(3)(4)

次に、迷わず90度で刺して、そのままスムーズに入れること です。 針を垂直に刺したら、指を内筒に回してプルプル引くのをグッとこらえて、そのまま一定のスピードで薬液を注入します。手技時間を4.5秒短縮して針のブレをなくすだけで、患者さんの痛みを劇的に減らせます。(1) 注入後は針をスッと抜いて、揉まずにアルコール綿やガーゼで数秒間軽く圧迫して終了です。(4)

そしてもう一つ大切なのが、薬剤の添付文書と施設マニュアルの確認 です。 一般的な予防接種や筋肉注射ではなく、静脈内投与が禁忌とされている特殊な薬剤を扱う場合や、やむを得ず臀部に打つ指示が出ている場合は、必ず添付文書や病棟の手順書を確認してください。

「うちの病棟のマニュアル、そういえばどう書いてあったっけ?」って気になった人は、ぜひ次の日勤で手順書を開いてみてください。もし「必ず内筒を引くこと」って大昔の記述のまま止まっていたら、「実は小児科学会や2025年のメタ分析ではこう言われてるんですよ〜!」って勉強会のネタにしちゃうのもアリですよね!

✔まとめ

✔ 2025年のメタ分析では、筋肉内注射で内筒を引くと痛みが有意に増え、手技時間が平均 4.53秒 延びることが判明した (1)

✔ 内筒を省略したグループにおいて、重篤な合併症の発生は1件も報告されていない (1)

✔ アメリカCDCや日本小児科学会のガイドラインも、推奨部位(三角筋など)での内筒吸引(逆血確認)は不要と明記している (3)(4)

✔ 太い血管がない安全な部位を選び、内筒を引かずにスムーズに注入して揉まずに圧迫するのが新常識!

個人的には、今まで「患者さんの安全のため!」と信じて一生懸命内筒を引いていたのが、実は余計な痛みをプレゼントしていただけだったなんて……まさに良かれと思ってやっていた親切心の空回りですよね。 でもエビデンスを知った今日から、無駄な確認をスパッとやめて患者さんの痛みを軽くしてあげられるのはめちゃくちゃ前向きな一歩です!筋肉注射で内筒を「引く」ことに必死になって患者さんを「ドン引き」させるくらいなら、サッと刺してスマートに決めてこ!

この記事は一般的な研究やガイドラインの紹介であり、個別の診療行為や手技の指示を代替するものではありません。実際の注射手技にあたっては、各施設の看護手順マニュアルおよび医師の指示に従ってください。

よくある質問

Q. 筋肉内注射で、内筒を引く必要はあるのか?

A. 2025年のメタ分析では、筋肉内注射で内筒を引くと痛みが有意に増え、手技時間が平均4.53秒長くなるとしている。内筒を省略しても重篤な合併症は報告されていない。CDCや日本小児科学会のガイドラインも、太い血管がない推奨部位(三角筋など)では内筒の吸引(逆血確認)は不要としている。ただし、背側臀部への注射や静脈内誤刺が重大なリスクになる薬剤では施設手順の確認が必要である。

Q. 三角筋に注射して、血管の中に薬が入ってしまうリスクはないのですか?

A. 三角筋の中央部(肩峰から指3本分下)には、解剖学的に大きな動静脈が走行していません。適切な部位と深さを守って穿刺していれば、薬剤が太い血管内に誤注入されるリスクは極めて低いため、内筒を引いて逆血を確認する必要はないとされています。

Q. 筋肉内注射のあと、揉んではいけないのはどうしてですか?

A. 注射後に強く揉むと、筋肉組織を傷つけたり、皮下出血や局所の強い炎症を引き起こす原因になるためです。現在のガイドラインでは、揉まずにガーゼや綿球で数秒間軽く押さえる(圧迫する)ことが推奨されています。

記事では、筋肉内注射のあとに内筒を引く必要があるのかを整理しました。部位の選び方や注射の手順を、根拠と事故防止の視点で短く押さえたいときに手元に置ける本として、『根拠と事故防止からみた 基礎・臨床看護技術 第4版』(任 和子・井川 順子 編、医学書院、2025年12月)を紹介します。

与薬の章に筋肉内注射があり、手順のポイントやSafety Checkを確認できます。内筒吸引の論文や施設マニュアルの代わりではなく、今夜の手順書とあわせて見る補助です。本は補助です。

筋肉内注射の手順確認におすすめの看護技術書を紹介する四コマ

参考文献

(1) Yıldız Karaahmet, A., & Şenturan, L. (2025). Aspiration in intramuscular injection: a meta-analysis of pain, duration, and clinical outcomes. Contemporary Nurse, 62(3), 354–371. https://doi.org/10.1080/10376178.2025.2568580

(2) Taddio, A., Shah, V., McMurtry, C. M., Lang, E., MacDonald, N. E., Constantin, K., Uleryk, E., & HELPinKids&Adults. (2026). A systematic review and meta-analysis of the effectiveness of procedural interventions for reducing distress during vaccine injections. The Clinical Journal of Pain, 42(8S). https://doi.org/10.1097/AJP.0000000000001373

(3) Centers for Disease Control and Prevention. (n.d.). Vaccine administration. ACIP General Best Practice Guidelines for Immunization. https://www.cdc.gov/vaccines/hcp/imz-best-practices/vaccine-administration.html

(4) 日本小児科学会 予防接種・感染症対策委員会. (2025). 小児に対するワクチンの筋肉内接種法について(改訂第4版). https://www.jpeds.or.jp/uploads/files/20250422_kinniku.pdf

(5) 厚生労働省健康局健康課予防接種室. (2022). 小児への筋肉内注射の方法と注意点に関する動画の公開について(事務連絡). https://www.mhlw.go.jp/content/000903063.pdf

(6) Ipp, M., Taddio, A., Sam, J., Gladbach, M., & Parkin, P. C. (2007). Vaccine-related pain: Randomised controlled trial of two injection techniques. Archives of Disease in Childhood, 92(12), 1105–1108. https://doi.org/10.1136/adc.2007.118695

(7) Baran, L., Güneş, Ü., & Dönmez, H. (2023). Investigation of the necessity of aspiration during the intramuscular injection administered in the ventrogluteal site and its effect on pain: A randomized controlled trial. Clinical Nursing Research, 32(4), 821–829. https://doi.org/10.1177/10547738221136470

(8) Thomas, C. M., Mraz, M., & Rajcan, L. (2016). Blood aspiration during IM injection. Clinical Nursing Research, 25(5), 549–559. https://doi.org/10.1177/1054773815575074

(9) Sisson, H. (2015). Aspirating during the intramuscular injection procedure: A systematic literature review. Journal of Clinical Nursing, 24(17–18), 2368–2375. https://doi.org/10.1111/jocn.12824

(10) 新型コロナウイルス感染症等に対するワクチン等の開発・普及のための研究班(研究代表者 岡田賢司). (2022). 新型コロナウイルス感染症に係る予防接種の実施に関する接種者向け手引き(改訂版). https://vaccine-kyogikai.umin.jp/pdf/20220224_COVID-19_carry-out-vaccination-guide_for_vaccinators.pdf

(11) Herraiz-Adillo, Á., Martínez-Vizcaíno, V., & Pozuelo-Carrascosa, D. P. (2022). Aspiration before intramuscular vaccines injection, should the debate continue? Enfermería Clínica (English Edition), 32(1), 65–66. https://doi.org/10.1016/j.enfcle.2021.10.002

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