米国NPの現状を踏まえての日本版NP:診療看護師のこれからの動向予想

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今回JAMAの興味深いレターを読んだのでシェアします。

タイトルは
Primary Care Nurse Practitioners and Physicians in Low-Income and Rural Areas, 2010-2016.
Xue Y, Smith JA, Spetz J.
JAMA. 2019 Jan 1;321(1):102-105. doi: 10.1001/jama.2018.17944.PMID: 30620363
https://jamanetwork.com/journals/jama/article-abstract/2720014

 

プライマリーNPの2010年から2016年の動向を調査したものである。

ちなみにアメリカのナースプラクティショナーについてはこちらでまとめています。

米国ナースプラクティショナーについて

f:id:daishirono:20190612142658p:plain

こちらのFigureは米国50州のプライマリーNPの人口比と医師の人口比を比較したものである。

このグラフは給料を表すもので左は給料が高い(high income level)右に行くほど給料が低い地域を表している。
そして一番右の給料が高い地域は医師数は据え置き、NPは増加している。注目すべきは一番左側で給料が低い地域は医師数は据え置き(一年の平均医師数の変化-0.16:CI -0.35-0.04)だが、NP数は増えている(一年の平均NPの変化3.4:CI 3.2-3.7)ことが読み取れる。この結果は給料が低い地域ではNPの需要が高いことが推測される。
もちろん給料が低い地域=住みにくい場所とは言えないことは留意する必要があるだろう。

また次のFigureは
f:id:daishirono:20190612142734p:plain

左が都会(Metropolitan)であり右側が田舎(rural)を表している。
こちらも一番左側の田舎は医師が減っている傾向がある(-1.53:CI -3.21- 0.16 P<0.07)のに対し、NPは増加(2.7:CI 1.7-3.7)していることが読み取れる。

limitationとして医師数やNP数は情報源が違うところから利用しているということだ。おそらく田舎の定義などが若干ずれはありそう。
米国では給与が低い地域や田舎にNPの需要が増しているようである。
これはあくまでもプライマリーNPを対象にしているが、日本の診療看護師はどうだろうか?

マンパワーが充足している大病院で働くよりも、医療アクセスが不便な地域に(法的にも診断や処方権が認めらる、または医師の簡単な確認を要するなど)独立した診療看護師が存在すると日本の医療の質に貢献できそうだと私は考えている。

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